謎多き役小角・役行者と修験道についてご紹介します

■修験者

奈良時代には、山に入り自然の霊力を身につけようとする修行者たちが現れました。

彼らは聖、禅師、優婆塞などの半僧半俗の人々で、兜巾を身に着け、篠懸・結い袈裟を掛け、笈を負い、念珠や法螺を持ち、脛巾をつけ、錫杖や金剛杖を突いて山野を駆け巡ります。

正式な許可を得ていない私度僧も含まれていました。

彼らは山中で神霊と交流する巫者(ふしゃ)でもありました。

役行者はその一人で、古密教と神仙思想の影響を受け、葛城山で孔雀明王の呪法を修し、鬼神を使役して一言主神を呪縛したと伝えられています。

鎌倉時代には、彼は修験道の開祖として崇められました。

■続日本紀に登場する役小角

役行者が歴史に登場するのは流罪に処されるという衝撃的な事件によるものでした。

『続日本紀』の文武天皇3年(699年)5月24日の記述には、次のようにあります。

「役の行者小角を伊豆嶋に配流した」

小角は最初、葛城山に住み、呪術に優れていることで有名でした。

外従五位下・韓国連広足の師匠でもありました。

しかし、後に小角の能力が悪用され、人々を惑わすものであると讒言され、遠流の罪に処されました。

世間の噂では、「小角は鬼神を自在に使役し、水汲みや薪取りをさせ、命令に従わないと呪術で縛り動けなくした」と言われています。

姓は「役」、名は「小角」であり、役氏は「賀茂氏」の一族であるため、フルネームは「賀茂役小角」となります。

役小角が正史に登場するのは、この一度限りでした。

  1. 続日本紀に登場する役小角
  2. 役小角は土蜘蛛の子孫
  3. 葛城山
  4. 吉祥草寺
  5. 一言主神
  6. 葛城政権の衰退
  7. 高鴨神社
  8. 水銀・鉱山で結びつく空海と修験道
  9. 山岳信仰と結びつく修験道

日本古代史の謎を紐解き、すこしでも本来の日本建国の姿を再現できればと思い、ご紹介させていただきました

このチャンネルでは、独自の視点から見た歴史について発信しています

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【参考書籍】
・『記紀以前の資料による古代日本正史』原田常治 著
・『日本書紀上下』宇治谷孟 著 講談社学術文庫
・『続日本紀』森田悌 著 講談社学術文庫
・『役行者 修験道と海人と黄金伝説』前田良一 著 日本経済新聞社
・『山岳信仰』鈴木正崇 著 中公新書
・『古代史が解き明かす 日本人の正体』関裕二 じっぴコンパクト新書
・『古代史おさらい帖』森浩一 著 ちくま学芸文庫
・『修験道がつくった日本の闇』関裕二 著 ポプラ社

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